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(精霊……か?)
俺はその見たこともない不思議な猫に目が釘付けになった。ルリと言う割にはかなり綺麗な澄んだ水色をしたその猫に。
するとその猫は「任せてにゃ~」と言い、地面の上に横になったガーディアンズの横に降り立ったかと思うと何やら呪文のようなものを唱え始めた。そして、その様子を確認したシズクは「ではテオ、私は行ってきます」と言い、この場を去ろうとしたので、
「ちょっと待て、俺も行く。いくら君が勇者で俺より遥かに強かろうが、年下の女の子を1人で行かす訳にはいかない。彼には君の精霊? 使い魔? がいれば十分じゃないか」
と、俺も一緒に連れて行くよう彼女に頼んだ。それを聞いた彼女は一瞬頬を赤らめたがすぐに首を横に振って来た。
「お気持ちは嬉しいのですが、テオ。あなたではこの灼熱の海を無事に渡って黒竜に辿り着ける保証がありません。それに万が一黒竜の攻撃が当たったりでもしたら―――」
「俺のことなんかどうでもいい。俺は君のことが心配なんだ」
「……」
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