第2章 レンタル勇者

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 漢字は違えど、彼女の苗字と同じ「あまの」と付くことに疑問を感じた俺は、その剣を眺めながら首を傾げた。そんな俺の反応を見たシズクはコクリと頷くと、 「そう、この剣は天叢雲剣。我が雨ノ家―――基、旧(あまの)家の頃から代々伝わる家宝の剣なの」  と答えた。そして、 「まあ、細かい説明は後にして、とりあえず早く奴を倒しに行きましょう。あとは任せたわよ、ルリ」  と言って再び俺の手を取ると、未だ村を荒らし続けている黒竜を目指して、今度は業火に燃え滾る建物の屋根の上までジャンプした。  「行ってらっしゃいにゃ~」といルリの言葉を後にして。
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