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「なあに、心配するなって、テオ。今回のはガチでとびっきりの商品だからよ。お前が腰抜かすぐらいの代物だ!」
と、この間の件で疑心暗鬼になっていた俺に、父はそう言い返してきた。そして、そう言った父の顔は、もはや悪魔並みに薄気味悪い笑みを浮かべたものとなっていた。
しかし、よくよく思い返してみると、過去、父がここまでの太鼓判を押した商品は俺の記憶上、今まで1つもない。となると、本当に物凄い商品が手に入ったのかもしれない。
(しかしまあ、俺が腰を抜かすほどの代物って……)
「もしかして父ちゃん、ドラゴンでも入手したのか?」
試しに俺は、当てずっぽうにそう聞いてみた。しかし―――
「ドラゴンだって? ハッハッハ そんなチンケなものじゃないさ」
と、今まで1度も捕獲にも入手にも成功したことのないドラゴンを、『チンケなもの』と一蹴してきた。
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