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結婚しました
私が嫁いでいったのは士官さんのおうちではなく普通の農家で、なんだか聞いていた話とは違いガッカリ。
結婚後すぐの間は倉敷の紡績工場へそのまま務め、夜勤もあり大変でしたが若かったので頑張れました。
そうそう、私の主人の名前はヒサ君といいいます。
ヒサ君は高木家の次男で、早瀬家に養子として入っていました。
結婚してしばらくたったころ、ヒサ君の実家の跡取りが亡くなり、養子に来ていたヒサ君は高木家に戻ることになりました。
もちろん私も一緒に高木家に行くことになりました。
高木家はい草の産地で有名な早島町というところにあり、家族はヒサ君のお父様とお母様、ヒサ君の妹とヒサ君、それに私の5人家族。
農家なので当然私も農作業を手伝い、家事もこなし、休む時間はありません。
ある日、突然私は歩けなくなり家で留守番することになりました。
家のこともままならない私を見かねた近所のおじさんが、
「これからお不動さんにお参りに行ってくるから、あんたのこともよくなるようにお願いしてきてあげるから。」
と言ってくれました。
それから程なくして私の足は歩けるようになり、3男3女をもうけることになるのでした。
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