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カレー染みを見ていると席を一つ挟んだ隣に親子がやってきた。可愛らしいまだ呂律の回ってない言葉で一生懸命母親にお話をしている3歳くらいの女の子は母親の隣に座っている。急に賑やかにやった空間についその女の子を見やるとその女の子はピンクのうさぎをテーブルに座らせて遊んでいた。 あ、《チェチェ》だ。すぐにそのピンクのうさぎの名前がわかった。《さくらびっと》の変身前の姿。名も知らない女の子を幼き日の自分と重ね合わせてしまう。私にもあんなときがあったんだ。でも今は…。ぼーっとその光景を眺めているとその女の子がこちらに気づき、そして嬉しそうに隣の母親に報告していた。 「あのおねえちゃんさくらびっとみたいだね!」 私は反射的に目を逸らす。慌ててパンケーキをくちに運ぶ動作に移るが、その味はよくわからなかった。 昼食を食べ終わった後、私たち二人は部屋へ戻り、ダラダラと時間を潰した。時計はもう午後10時を指していた。シャワーを浴びる私。ベッドでは全裸のキン。私たちは毎日体を交わす。行為の度に私たちはただの友達でなく恋人同士、いや服従関係であることをお互いに確かめあうのだ。 シャワーを浴びた後、薄暗い空間の中で私達はシングルベッドの上でディープキスをした。キンのそれはとてもとても長い。唇を好きにされている間、私はいつもキンとの初経験を思い出す。 「は!?彼氏今までいたことないの??」     
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