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じゃばばば。便座に座り尿をたしている間、意識が朦朧としてまだきれいな桜色のショートヘアだったときのことを思い出す。つまり、キンと出会ったときのことだ。 『死にたい』 SNSに投稿した4文字がキンと会う、不思議な監禁生活とのきっかけであった。高校3年卒業の頃進路も決まらず親からも白い目で見られてた私は、心の拠り所にしていたSNSでたくさん愚痴をかいていた。イタイコイタイコと周りから陰口を叩かれていることへの愚痴が主だったけど、一回綺麗に染めた桜色の髪色を自慢したくて顔写真を載せたことがありそれでフォロワーが増えたことがあった。そのひとりがキンである。キンは私の相談によくのってくれ、私もまたキンを特別信用していた。ある日特に精神が不安定になった時があった。そしてついその4文字だけを投稿してしまったのだ。キンはそれに返信をくれた。 『わかるよ』 『私も人に言えない悩み事があるから』 『私女のくせに女が好きだし』 続く告白に驚きはしなかった。むしろ、彷徨う羊の仲間を見つけたようなそんな気すらしてしまった。今思うとあれは傷の舐め合いだ。しかし、私はそれにこう返したのだ。 『会って話がしたいです』 その2週間後私たちは実際に出会うことになる。そして、そのままこの非日常の関係へと堕ちていった。 「久しぶりに外に出たいなー」     
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