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それは全部さくらびっとのグッズであった。そのコーナーの端にPOPが掲げてあり、 『リメイク公開記念!さくらびっとコーナー!!』 と手書きの文字が書かれてあった。 《リメイク》 なるほど、だからこんなさくらびっと最近また見るようになったのか。 「やだなあ」 そのさくら色の一角の前を通り過ぎながら私はぼそっと本音を零す。キンはそれに気づかず、フードコーナーをさがしていた。 フードコーナーは平日の昼ということであまり混み合ってはいなかった。主にそこにいるのは幼稚園児未満の子供とその親、大学生らしき集団、そして私たちみたいな大人。 私はベリーソースがかかったパンケーキを一口サイズに切り口へ運ぶ。甘酸っぱいソースとふわふわとしたパンケーキの食感、安直にも幸せな気持ちになる。その一方キンはまたそこでラーメンを啜っている。 「おじさんみたい」 「私はおじさんだもん。生まれる性別間違えただけ」 彼女のお決まりの台詞をいただいた。 それにしても彼女のスレンダーな身体はTシャツがよく似合う。白人の女性がモノクロでデカデカとプリントされたその白Tシャツ、キンほど着こなせる人もいないだろう。ただ先程のカレー染みが気になる。     
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