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「 ツク お前の怪談話 なかなかよかったぞ 好評じゃないか 」
ここは都内のオフィスビルの一角にあるオカルト誌百目奇譚の編集室である。今話している超美人なお姉さんは三刀小夜副編集長である。隣にいるイケメン風男子はカメラマンの海乃大洋君だ。
「 似た体験とか まったく同じ体験した事あるってツイートが結構来てるっスよ ツクヨちゃん 」
海乃が続ける。
「 他人の腕子さんッて都市伝説もネットで広まりつつあります 班長 商標登録しときますか 」
「 そうだな海乃 アニメ化 映画化になったらガッポリだぞ ツクでかしたぞ 」
「 あはは はは ははは ……
痛む、心が痛むぞ月夜ちゃん。
結局、大した怪談話は集まらず、店長から聞いた話をほんのちょっぴりだけアレンジして原稿にしたのだ。もちろん店長には無許可で。
別に嘘はついてないもん、ただ最後の部分をほんの少しだけ割愛しただけだし、店長にはあの場面で気絶してもらう事にしただけだし、わわわわ私は悪くない。
だいたい腕子さんって誰だよ、何で女性に特定されてんだよ、同じ体験ってどんだけみんな腕痺れてんだよ、アニメ化?映画化?やめてください。お願いします。
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