一杯目

16/18
2308人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
 自分の席へと戻って、のんびりと遅めの朝食を食べる。  仮眠はとってはいるものの、夜勤明けだから、カフェオレを両手で持ちながら、ボーッとしていると、テーブルを拭きに来た人がいた。 「寝不足?」  いきなり声をかけてきたのは、なんとホワイトさん。 「えっ」  それに驚いて、また思い切りビクッとなってしまう。そのせいで、カフェオレがテーブルの上に少しだけ零れてしまった。 「あ、すみません」 「いえいえ、こちらこそ、急にお声掛けしたから」  ホワイトさんが申し訳なさそうに、零れたところを拭いてくれる。  身体が近くなったせいか、ホワイトさんから、ふんわりといい匂いが鼻を掠めた。爽やかでそんなに甘ったるい香りじゃない。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!