一杯目

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 家から車なら十分、自転車なら近道使ってニ十分。歩くと一時間近くかかる、国道沿いにできたショッピングモール。そこが俺、上原 征一郎が働く職場だ。  営業時間の長いゲームセンターが併設されてることもあり、正月休みが明けるまでは、遅い時間までガキどもがいて騒々しかった。  休みが終われば、ガキどもは減ったけれど、ガキじゃなくても騒々しい輩はけっこういる。それでも、さすがに平日の夜中の三時にもなると、ほとんどいない。 「お疲れ様です~」  警備員が集まる防災センターに戻ってくると、先輩の高田さんが、防犯カメラの映像の映っているテレビ画面を見ながら、缶コーヒーを飲んでいた。俺の親父が生きていれば、きっと高田さんくらいだろう。 「おう、上原、お帰り」  画面から目を離さずに、高田さんが声をかけてきた。
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