三杯目

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「うん。綺麗に食べてくれたみたいだから、大丈夫かな、とは思うんだけど」 「はい、美味しかったですよ。頂いちゃっていいんですか?」  ディスプレイされている商品に書いてある値段は、正直、ちょっとお高め。たぶん、うちが普段買うのよりも三倍くらい高い気がする。  たぶん、これをサラダにかけたら、ちょっとだけゴージャスな気分になりそうだ。 「いいよ、いいよ。よかったら、ご家族の感想なんか、聞かせてくれたら嬉しいな」 「わかりましたっ。じゃぁ、さっそく、今日の夕飯にでも使わせてもらいますね」 「本当?じゃぁ、明日、感想聞かせてくれる?」 「はいっ」  ……と、勢いよく返事をした後に、ハッと気が付く。  ということは、明日もホワイトさんがお店にいるってことか。ホットミルクは、またの機会だな、と、少しガッカリしながら、俺は笑顔で軽く手を振って、カフェ・ボニータを後にした。  内心、夕飯の材料を買って帰らなくちゃ、と気合を入れて。
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