四杯目

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 確か彼女は、大学三年の時に週に一回、同じ講義に出ていただけの女の子だ。  なぜか同じグループになって、短期間だけど一緒にグループ発表的なことをやった。  ほとんど俺が調べたのに、彼女がメインで発表したんだった。まるで自分が頑張りました、みたいな感じで、一緒にいた男たちもチヤホヤしてたっけ、というのまで思い出してしまった。  基本、かわいい女子は嫌いではない。  しかし、それは中身も伴ってこそのかわいい女子だ。どこか小狡い女ってのは、顔立ちにも出てくると、俺は思う。  あの時も、こんな風にかわい子ぶってたなぁ、と、なんだか嫌な印象しかない。  女子が少ない講義だったこともあって、彼女はそこそこ人気があった覚えがある。今思えば、なんで俺なんかを誘ったのか、不思議で仕方がない。
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