四杯目

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 二人とも番号札を持ってきている。何か食べ物も注文したのだろう。 「ありがとう」  笑顔を浮かべた『ナミちゃん』は、トレーを受け取る。その笑顔が胡散臭く見えるのは、俺だけなんだろう。  男どもはそんな『ナミちゃん』に嬉しそうな笑いを浮かべながら隣のテーブルの席に座った。  こいつらのツレにだけは見られたくないなぁ、と思いつつ、マグカップを手にしてフッとカウンターの方に目を向けた。 「えっ?」  つい、驚きが声に出てしまったのは、なぜだか久しぶりに見る姿があったせい。  いつもショッピングモールの店で見る姿と同じ格好のホワイトさんがいたからだ。
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