四杯目

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 カウンターの中ではホワイトさんがスタッフの誰かに指示をしている。いつになく厳しい感じなのには、ちょっとだけ驚いた。  ショッピングモールの店では、穏やかそうな顔でいるのが常だからだ。  だけど、そんな凛々しい感じのホワイトさんもカッコいいな、と思った俺は目が離せなくなっていた。 「上原くん、知り合いでもいたの?」  しばらくカウンターの方を見つめ続けてた俺に、訝し気に『ナミちゃん』が声をかけてきた。  俺がその声に反応しないでいると、少しして『ナミちゃん』の、ハッ、と息をのむ音が聞こえた。  俺はその反応に、すぐに振り返った。だって、それは彼女がホワイトさんの存在に気付いたからに違いないから。
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