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そこには案の定、目を爛々と輝かせてカウンターの方を見ている『ナミちゃん』。明らかに、ホワイトさんを見つめてるのが俺でもわかる。
当然、その様子に気付いた隣の席にいた男二人は、一気に不機嫌そうになった。
彼女のターゲットロックオン、みたいな様子を見れば、彼らが不機嫌になるのもわかる。完全に自分たちの存在が完全に忘れられている、と感じるだろう。
男たちの舌打ちでもしそうな雰囲気に、俺だって居心地悪く感じる。
「ねぇ、知り合いなら紹介してよぉ」
ホワイトさんを見つめたままの彼女の強請るような声。
俺的には大した知り合いでもない『ナミちゃん』に、どうしてホワイトさんを紹介しなきゃいけないんだ、と苛立たしく思う。
俺は、残ってたホットミルクを一気に飲み干した。
「ねぇ、上原くってばっ」
少し声高になった彼女の言葉を無視して、ムッとしながら食べ終えたトレーを手にして立ち上がった時。
「上原くん?」
少し驚いたようなホワイトさんの声が聞こえた。
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