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俺のため息に気が付いたのか、ホワイトさんは一瞬、『おや?』という顔をした。だけど、そこは接客業、すぐに『ナミちゃん』たちへ営業スマイルを浮かべてる。
「そうでしたか。上原くん、今日はどうして?」
彼女たちに向けるものとは明らかに違う、優しい笑顔で、俺の手元のトレーに目を向けた。ああっ、ホットミルク飲んでたのが、バレちゃう?
「え、あ、ちょっと用事で」
俺は慌ててトレーを持って返却口のほうへと歩いていくと、俺の後をホワイトさんがついてくる。『ナミちゃん』が何やら言ってるようだけど、俺は完全に無視だ。
「そうなんだ。もう帰るのかい?」
ちょっと砕けた感じの話し方になってるホワイトさん。残念そうな声に、ちょっとだけ嬉しく感じる俺。子供みたいだな、と内心で苦笑い。
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