閑話:ホワイトさんの甘いため息

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 いつもいつも同じメニューで飽きないのだろうか。ちゃんとご飯を食べているのだろうか、と心配になる。  彼が警備員にしては小柄なせいもある。  昼間、巡回で来る警備員は、上原くんに比べるとだいぶ大きくて厳つい人が多い。それに比べると、上原くんは可愛らしくて、こんな子じゃ、万が一の時に大丈夫なのだろうか、と逆に心配になった。  そして、つい、ゆで卵をオマケしてあげてしまった私は、立花さんは「わかりますっ!なんか、あげたくなりますよねっ!」と力説されてしまう。  そうなのだ。  彼には何か庇護欲というか、与えたいというか、護りたいというか、そういうものを刺激するものがあるのだ。
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