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赤い月
赤い月は昔から不吉なことがおこる予兆と言われている。だが本当は空気中のゴミの量などで赤く見えているだけだと科学的に証明されている。
理系の僕はそんな言い伝えのことなんか信じていない。。いや、いなかった。あの赤い月の夜までは。
「今日は月が赤く見えますね。」
「そうですね。空も雲がないのでよく見えると思います。」
テレビで赤い月の話をしている。どうも僕はこのニュース番組が苦手だ。無駄な情報が多すぎる。
「さとし降りてきて、ご飯よ。」2階の僕に1階の階段の下から母が呼んでいる。
「上にもって来てよ。」
「夜ご飯は一緒に食べる約束でしょ。早く降りてきなさい」
どこの家でもよくある約束だろう。仕方なく僕は1階に降りた
「今日はカレーか。となると明日の朝もカレーだな。」
「8人前作ったから明日の夜まではカレーでいけるわよ。」
「作りすぎだろ。そんなにカレーばっか食べたくない。」
「お母さんのカレーは世界一だってあんなに言っていたじゃない。」
「何年前の話だよ。」
お母さんは昔のことをよく覚えている。きっとそんなことを言ったこともあっただろう。だが記憶に無ければ言っていないのと一緒だと僕は思う。
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