今の自分は、おやげねえことに。

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 呼吸が本当に楽になった。抗生物質の点滴が始まる。 右腕の手首に近いところに太めの針を刺して、100㏄の点滴を1時間くらいかかるが行う。 どこかで炎症がまだ収まらないらしい。血液検査でも炎症反応があるという。鼻に酸素のホースを付けてもらった。 自分的に結構大変な状態だなあと思えた。呼吸が楽なのが一番有り難い。そしてここは病院なのだから治療中だが、まず安心だ、病状の急変に関しては、何があっても。   朝は9時ころ回診。教授の女性先生と若い現役パリパリの医師たち。 夕方も症状を気にされて担当の先生がおいでになる。 朝の看護師さんの挨拶とともにその朝の基礎健康診断が行われる。体温と血圧と、酸素量、指を挟んでわかる装置らしい。胸の聴診も。右のほうが音まだ弱いですねえ。  5北病棟505号室、6人部屋で、左の奥。よかった。窓際だ。窓は東が広々と見える。駐車場とマンション以外は瀬谷の杜が広がり。遥か東にMM21のビルのが見える以外になにもなし。  何か物足りない風景に、東の空に、赤岳の雄姿をはめてみた。つずいて横岳、硫黄岳、そして権現岳も。そう、我が田舎の八ヶ岳連峰だ。ずーっと北に延びて蓼科山までつずく。青い、青い山脈である。  その点自分も賛成だ、20年近く八つを見て育っている。確かに窓から見る北東の景色は瀬谷の杜だけ。かすかに目を凝らしてやっつと、MM21だよと言われないとわからないくらい。出来たらこの広いキャンパスに、故郷にドッしりと座る八ヶ岳の有志を置きたいと思うのは同じだ.そういえばお医者さんのユニフオームも看護師さんもシャツ、ブラウスも青だ。パンツは白だが。  朝早く目が覚める。カーテンを静かにめくってみる。駐車場のライトが明るく車がほとんどいない。4時、2月初め。空は真っ暗だが、遠くMM21あたりは明るく衝突防止の赤いライトが点滅している。6時で院内のライトが付くが、まだ日はのぼる気配もない。7時に朝の検診で。このころには明るくなる。窓は東に有るのにお日様の上がるのが見たことない。上がらないうちに明るくなる。冬だから日の出が東だがかなり南の東から出ている様だ。日没も短く西に沈むのだがかなり南の西に沈む。
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