今の自分は、おやげねえことに。

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 すると、単純明快に先生曰く、そんなの簡単です、左一つあれば十分息出来て、大丈夫だよと言うようなことをおっしゃるのだ。が、この事は自分には大変な精神的にも身体的にも及ぶ大々ショックで、力が抜けて倒れ込みそうになりそうだ。本当に。片方の肺がつぶれてるんだ。大変なことだ。苦しいはずだ。でもなんでつぶれちゃったんだろう。階段事故の後遺症か。でも落ちてから大分時間たってるけれど。  いきなり片肺つぶれ宣告で、大きい病院に行ってき診てもらえという診断でした。と言うことは自分の想像を超えた重病だということで、そりゃそうだ、片方の肺つぶれてるんだから。  他人事の様で自分の事とピンとこないのだ、と言うかその症状の重大性が自分に直接響いてこないというか、伝わる時差があって伝わるというか。この胸の苦しいの、呼吸の苦しいのが、重大な症状なのに。だから、あ、そおなの、フーンそう、大きい病院で、肺がねえ。と言うスローさで。大変だ自分がそういう状態に今いるんだぞ、と言う緊急の認識が自分にピンとこない。  ただ言えることは、いま息が苦しくて何とかしてもらいたい、お薬でも注射でもいいからなんか処置してもらって。そうでないと、このままで大きいとこに行くのは正しい処置としても、苦しいこの症状はずっとつずいたままで、軽くなるなんてことはなく、もっと重くなり息ができなくなるのか、どうなるのかもわからず、不安不安の中でさらされているわけで、とてもたまらない。  更に、悪い事はつずいて、  今日は紹介先の病院にベットの空きがないので、今日はだめ。明日行くようにしてくれとの事。あと一日はこの苦しいままだ。紹介先の病院に行っても、右の肺はつぶれてるというから、もう治ることはないだろう。最良でも正常の左の肺を大切に使い、あとの余生を呼吸しながら細々と生活するのだ。  今日は家に戻るのだ。車で来ているので運転には支障はない。でも、まあ大変な事になったよ。どうなるのだろう。  自分が入院となると  ああそう入院ね。とのんきなことは言っていられない。ひとり暮らしで普通は気ままでいいねだが、猫がいて、こいつの面倒を見なくては。普段見てると持ちつ持たれつで、猫がいるから癒されてる分が多い。  
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