Ｋ先生のこと

「学級をもっと明るくしよう」

というＫ先生の提案のもとに各生徒が教室明朗化作戦を紙に書くことになった。

　私は「小鳥を飼う」と書いた。
　学級会で多数決をとった結果、小鳥を飼うことになった。鳥籠と二匹のインコをＫ先生が購入し飼育が始まった。

「うるさいから教室の外に出しなさい」

という教科担当の先生が数人いて、その授業では鳥籠が出されることになった。
　学級の雰囲気は明るくなるどころか暗くなってしまい、
「誰が小鳥を飼おうなんて書いたんや」

と男子が集まり言っていると、

「ばれたらどうしようと」

と私はびくびくしたものだ。
　それでもＫ先生は飼育を決してやめなかった。