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空が赤焼ける夕日に照らされた桜の木の下で一組の男女が佇む
そこは小高い丘にある少し寂れた公園
ヒラヒラと舞い降りる桜の花びらと共に微かに甘く涼やかな桜の香りが2人をそっと優しく包む
それはまるで2人が桜花から祝福を受けているかのような光景だ
彼氏である雄幸の腕に頭を預ける彼女の美咲は呟く
「結婚して…」
え?っと聞き直すかのように美咲を見つめる雄幸
「私と結婚して…」
美咲は優しく微笑むその瞳は潤みいまにも涙がこぼれ落ちそうになっていた
戸惑う雄幸
「ダメだ…」
思わぬ拒絶の言葉に驚き、何故?と聞きたい美咲だが、そのような余裕はなく、ただ絶句し雄幸を見つめる事しか出来ない
美咲のほほに流れる涙は先程まで瞳を潤していたものとは意味が違う
そんな美咲に雄幸は戸惑いながら絞るように語る
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