3話

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この糸の先に誰が繋がっているのか、それを確かめてから、糸を切るのか否かを決めても遅くは無いのではないか。 垂れ下がる糸を見ながら、そう思った。 丁度、今週末は三連休になっている。日本国内に繋がる先があるのであれば問題ない。 海の向こうに伸びていた場合は、その時また考えようと思った。 とにかく、今週末は外出届けを出して、出かけようと決めた。 ◆ 土曜日早朝、まだ薄暗いうちに起きて、外出するため着替える。 アクセサリーを付けてから、一人苦笑した。 この先が誰に繋がってるのかは分からないが、わざわざめかしこむ必要も無いのだ。 そもそも俺の好きなのは、あの子のはずなのに何やってるんだか。 髪の毛のセットを適当に済ませ自室を出た。 糸はまるで物理法則に則っているかのように、ここは7階だというのにその床にそって這っている。 役員専用フロアの人数等大したことは無く、廊下には数本の糸があるだけだ、それをたどって行けばいいのだ。 とにかく外に出なくてはとエレベータに乗り1階へ。それから、寮の外に出たところで違和感に気が付く。 糸が寮の中に向かって伸びているのだ。 今まで、こんな事があっただろうか。 毎日朝、登校する時にこんな風に寮の中に向かって糸が伸びていた事はあっただろうか。 一々、確認しては居なかったが、恐らく無い。     
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