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家に連絡をして、許可を取った。
基本的にある程度ほぐすくらいなら、俺にもできなくもないけれど、粘着テープの様に他の糸をべとべとと誘引するのに関しては今の俺の力ではどうしようもない。
彼が、俺の話を信じてくれたとしても、暫く週末は実家である神社へ通ってもらうことになるだろう。
あの人に何故自分達を繋ぐ糸を切るのだと聞かれたとき、思わず本音が漏れてしまった。
驚いたような顔をしていた。
あの人多分とても聡い。気が付いてしまったかも知れない。
だからといって、何も変わらないのだ。
わざわざ墓穴をこれ以上掘るつもりもないし、そもそもわざわざあちらも突っ込んでは来ないだろう。
断るために聞く等という、馬鹿な真似をする筈がない。
癖になってしまった溜息をついて、小西先輩の部屋へ向かう。
初めて行ったときと一緒で、専用のカードキーを預かっている。
放課後そのまま向かうことにした。
エレベーターにカードを通して、役員専用階にのボタンを押す。
オカルト紛いの説明をしなくてはならない。
あの人は怖くはないのだろうか。
頭の可笑しい人間を紹介した。
そう思われても、おかしくないのだ。
俺が考えても仕方がない事だ。
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