4話

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そっと、あの人の部屋のインターフォンを押した。 ◆ リビングスペースのソファーに座っている転校生は、華奢な体に小さな頭が乗っていて、顔のパーツも綺麗に整って、近くで見るとそれはそれは可愛らしかった。 糸に関係なく、この人がモテるのが分かる気がした。 「初めまして。」 頭を下げると、転校生はニコリと笑顔を浮かべた。 「初めまして、俺、五十嵐 佐紀って言います。」 立ち上がって、頭を下げられる。 あの人は一体俺の事何て説明したのだろう。 俺の後ろに居た、小西先輩を振り返る。 ふんわりと笑顔を浮かべられただけだった。 促されるままにソファーに座った。 「で、どこまで話したんですか?」 小西先輩は、俺の前では見せたことの無い、人の良さそうな笑みを浮かべた。 「佐紀の言うオーラの見え方を聞いて、君が縁切神社の息子だって話をしたよ。」 「オーラ、ですか。」 彼は何かが見えているらしい。あくまでも彼が言うにはだ。 「あ、あの。」 五十嵐君は俯いて、自分のズボンの太もものあたりをギュッと握りしめて、それから振り絞るように言った。 「俺の近くに濁っている澱みみたいなのが、ジワジワと増えていくんです。     
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