4.5話

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だけど、俺の心臓はそれで早鐘を打つことは無かった。 「今まで通り、友達でいてくださいますか?」 「勿論。」 俺と佐紀は笑いあった。 落ち着いたところでデリバリー用メニューを佐紀に渡す。 手早く決めて、注文をした。生徒会特権であるデリバリーはとても便利で重宝している。 料理が届くまでのしばらくの時間、佐紀と話をした。 「佐紀の言う、オーラ。俺とあいつには糸として見えてるんだよ。」 手を掲げながら俺が言うと、佐紀は「赤い糸みたいな?」と返した。 「うん、色は違うけどそんな感じ。」 「俺の糸は?」 「伸びてるよ。だけどその先で色々な糸を巻き込んでごちゃごちゃになってる。」 「それを亘理君は元に戻してくれてるんですね。」 「うん、そーみたい。」 「先輩の糸は?」 佐紀に聞かれたが答えられなかった。 佐紀はそれ以上は聞かなかった。 「もし、嫌いな奴と糸が繋がっていて、自分が糸を切れるとしたら、佐紀だったらどうする?」 「うーん、悩みますね。」 「じゃあ、その相手に切るかって尋ねたとして、切って欲しいって言われたら切る?」 「そもそも、前提がおかしいですよ。」 「ああ、相手には見えないって事?」     
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