5話

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5話

◆ 朝起きたら熱は下がっていた。 憂鬱な気持ちで授業を受けて、憂鬱な気持ちで小西先輩の部屋へと向かった。 今日は早すぎた様で、インターフォンを鳴らしても誰も出ない。 一旦自室へ引き上げようかと思ったが、行き違いになっても困るため諦めて待たせて貰うことにした。 このカードキーが部屋のドアを開けられるものなのかは知らない。試してみる気も無い。 誰か別の役員と鉢合わせになるかと思ったが、誰とも会うことなくしばらくすると小西先輩と五十嵐君が連れ立ってきた。 俺の元に駆け寄ってくる五十嵐君の顔色は別に悪くはなかった。少しだけ心配だったのでほっとした。 「お待たせしてすみません。」 申し訳なさそうに五十嵐君に言われ、慌てて手を振って、そんな事ないと返す。 そうこうしているうちに、小西先輩がドアのロックを外し中へ入れと誘導される。 五十嵐君の細い体が先に中に入り、それから俺が入った。 昨日と同じようにソファーに楽に座ってもらい、作業を始めた。 小西先輩も昨日と同じように水の入ったタライをそっと俺の横に置いた。     
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