1話

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自分は転校生を取り合う輪に入りきれず、まるで傍観者の様にあの人の糸は別の方に向かって垂れ下がっていた。 俺と繋がってしまっているのだから当然といえば当然だ。 きっと彼は俺と糸が繋がっていると知ったら絶望するだろう。 その日から俺は登校する前に部屋に糸をかけて行くようになった。 こうしておけば、目の前ではち合わせても、俺が彼の運命なのだと気付かれはしない。 結局のところ、彼に嫌悪で満ちた目で見られたく無いという自己保身なのだ。
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