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「そうですか、よかったです。」
俺がそう言うと「本当にありがとうございます。」と言って帰り支度を始めた。
小西先輩は引き止めないのかと思ったが、そんな様子はない。
「ねえ、これって明日も何かした方がいいのか?」
小西先輩に尋ねられる。
「ああ、はい。多分明日も引き寄せられていると思いますので……。
1か月もすると徐々に引き寄せられなくなってくるとは思うのですが。」
五十嵐君の体質の強さ次第なのでなんとも言えない。
「ふーん。じゃあ、佐紀明日も放課後ここで。」
「はい!それでは失礼します。」
五十嵐君は帰ってしまった。
俺も帰ろうと支度をしていると
「ケーキまだあるんだ。食べてけばいいよ。」
そう、そっけなく言われた。
「へ!?」
正直驚いてしまった。この人が俺と時間を過ごそうとしていることに。
「どうせ、今日も体調悪くなってるんだろ。顔色悪いし。
具合悪すぎて何も受け付けないって言うなら別だけど。」
ぶっきらぼうに言う小西先輩が少しだけおかしくて、ふふっと笑った後
「食べます。」
と答えた。
小西先輩は、初めて俺の前で満足げに笑った。
ソファーに座り待っていると小西先輩がキッチンから戻ってきた。
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