0人が本棚に入れています
本棚に追加
なぜ、こんな平凡なミスをしてしまったのだろう。自分の席に戻り、ひとり反省する七海。思い出すと涙が出そうになり、仕事が全く手につかない。出来ることなら、今すぐ家に帰りたい心境だった。
「心のダメージを回復するには、憂さ晴らしが必要だぞ」同僚の男が慰めに来た。「仕事終わりに飲みに行く? それともカラオケボックスで歌いまくる?」
誘ってもらえるのは素直に嬉しい。愚痴をこぼせばスッキリするのも分かっている。でも、七海はやんわりと断った。それより、もっと効果的なリフレッシュの方法を知っているのだ。
終業時刻の18時ジャストに、七海は会社を出た。一刻も早く、熱い湯に浸かるために。
最初のコメントを投稿しよう!