動物銭湯

5/11
前へ
/11ページ
次へ
 七海が途方に暮れていると、塀の上に、一匹の猿が現れた。毛は短く、グレーの色をしている。 「猿?」七海は思わず呟いた。  この街で猿を見るのは初めてだ。  猿は塀の上を音もなくゆっくりと歩き出した。なんで、こんなところに猿が? どこへ行くのかしら? 七海は好奇心を抑えることができず、猿を尾行した。  猿が立ち止まれば七海も立ち止まり、猿が走り出せば七海も慌てて追走した。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加