現代・電子機器『携帯呪殺端末』

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現代・電子機器『携帯呪殺端末』

ケイタイジュサツタンマツ テクノロジーによって呪いを実現すべく開発された機械。 呪いを、相手の精神に悪影響を与えることで体調の悪化、自殺願望の芽生えなどといった状態に至らせる行為であると定義し、それを技術によって行おうとする。 重要なのは呪いの対象者自身が不運や不幸を自覚することであり、そのような現象が当人に連鎖的に降りかかってきているような印象を与え続けることにある。 前提として相手の様々な情報が必要となる。情報は正確でなければ当然意味はなく、多ければ多いほど効果は強くなる。 例えばメールアドレスのみでは迷惑メールを自動的に大量に送り続ける程度のことしかできない。 しかし郵便番号や住所がわかっていれば、その住所に嫌悪感を抱かせるようなものを次々に送りつけていく。 さらに対象者の友人の情報などもあれば、対象者の印象を悪くするような情報を送る。 情報は最初は入力する必要があるが、SNSなどの情報は自動的に収集しつつ嫌がらせを継続的に行う。 違法なことも機能的にはできるようになっており、クラッキングや電波傍受も可能。オプションで盗聴器、発信機もあり、そこから得た情報を嫌がらせ行為に自動的に使用するようにもできる。 対象者のスケジュールや普段の生活の様子、行動パターンまで把握できるようにまでなると相手の精神を効果的に追い込むことができ、起こす現象が呪いらしくなっていく。つまり偶発的に起こる不幸のようなことを引き起こせるようになっていく。 実際にはもちろん呪いではなく、しかも呪殺と言いつつ相手が死ぬことは多くないが、効果はある。 ほとんど自動なのに携帯端末なのは、カメラ機能があるため。 自動で様々なことを行うため、費用を最初に設定しておかないと勝手にどんどん使ってしまい、後から請求書が来る。 機械の製造元から対象者へお札が送りつけられることがまれにあり、その対象者に限ってはほとんどが半年以内に死に至る。 将来的には名前と顔だけで対象者を死に至らしめるところまで目指して開発が続けられている。
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