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お風呂で歌うのは、昔から変わらない。
五歳違いの姉弟は、小さい頃は母と父のどちらかとまとめて風呂に入れられた。湯につかるときに汽車の歌で数を数え、テレビやアニメの主題歌を歌う。五歳も違えば、当然できることも違うわけで、侑香里は割とでたらめに歌う永太が、時々許せなくなった。
君に会うはずが道を間違え、水の中はいかの中になった。さんぽは勝手に走り出し、森の小道はオリの道になって、もうめちゃめちゃだった。
けれど、違うと怒るとたしなめられるのは侑香里だったから、すねた記憶が何回かある。
子供特有の言い間違いではなく、適当に覚えている言葉をつなげているだけ。ちなみに、かなりでかくなった今もあまり歌詞を正確に歌う気はないらしく、似たような言葉になったり、全然違う作詞をしたりと忙しい。が、間違う割合は減っていた。
知っている曲だと、つい訂正したくなる。それでも、最近はまたかと受け流せるようにもなったから、どっちもそれなりに成長していた。
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