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2時間程でお開きになり、2人は店を出た。
晃は主任としてずっと上座におり、結花が行かない限りなんの接点もなく、会いたくないと思っていたことは杞憂に終わった。
店の外で千香と話していた結花だったが、少なくなってきた人たちを見てそろそろ帰ろうかと言う話になった所で、後ろから呼ぶ声がした。
「ゆーかちゃん」
その呼び方をするのは一人しかいないため、結花は苦笑しながらその声の方に向いた。
「町田主任、お疲れ様です」
「おつかれさま。千香ちゃんもお疲れ様」
お酒の席だったせいか、少しネクタイを緩めてはいたが、相変わらずスーツを着こなした綺麗な顔がそこにはあった。
(この人ならきっと楽なんだろうな。一緒にいて……)
そんな思考が持ち上がるほど結花は少し自棄になっていた。
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