お願い5 今度は俺が

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「ゆーかちゃん、俺の誘いに乗って来るって事は、晃と何かあったんだ?」 歩きながら町田に確信を付かれ結花は言葉に詰まった。 無言の結花を見た後、後ろにいた人を見て町田は一瞬動きを止めた。 「ゆかちゃん、キスしよっか?」 「え?」 いきなりの言葉に結花は驚いて顔を上げると、ドンと軽い衝撃とともに、壁に手を押し付けられ、唇がすぐに触れるぐらいの距離に町田の綺麗な瞳を見た。 (うそ!) 慌てて胸を押し返そうとしたところ、押し付けられていた手が、もう一つの手によって引き寄せられた。 「……晃。怖いよ。顔」 その言葉に、腕を掴まれているのが晃だとわかり、結花は慌てて腕を振り払おうとした。 しかし、強く掴まれた腕を女の力ではどうにもできず、どうしてこうなったか解らず結花はただ茫然として立ち尽くしていた。
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