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「お前……。何した?今?」
晃の低く冷たい声にも町田は、不敵な笑みを浮かべる。
「何って?キスしただけ」
悪びれることもなくいい放った町田に、晃は苛立ちを見せた。
「晃。お前に何か言う資格なんてないだろ?俺はお前に傷つけられた結花ちゃんを慰めていただけだぞ」
先ほどとは違い、少し怒りを滲ませたような町田の声に結花も驚いて町田の顔を見た。
「ああ。わかってる。でも……」
パラパラと雨が降り出し、3人は空を見上げた。
「行くぞ。小松」
晃のその声に結花は戸惑ってどう返事をしていいかわからなかった。
しかし、もうすでに腕を引っ張られ走り出した晃を振りほどくこともできず、ただ雨の中を大通りの方に走っていた。
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