お願い2 気づいてしまった事

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「29分。まあ、こんなものだな」 晃は満足そうに言うと、後かたずけを始めた。 「はい…。本当にありがとうございます。一人だったらあと2時間は覚悟してました」 しゅんとして言った結花に、 「お前とじゃ、まだまだ経験が違う。ほら、帰る準備しろ。飯行くぞ」 「はい……。え!飯??!!」 結花はしょぼんと返事をした後、驚いて声を上げた。 「お腹空いてないのか?」 きょとんとして言った晃に、 「空きました!とっても!」 そんな結花を見て、晃はクックっと肩を震わせて笑うと、 「お前、なんか小動物みたいだな。本当に食べることになると目の輝きが違う」 肩を揺らす晃の言葉に、 「違い……」 (主任とご飯に行けるからなんて、言えないか……) 言いたかった言葉を飲み込むと、 「小動物って……。複雑です……。けなしてますよね?」 拗ねたようにいった結花に、 「まあ、いいじゃん。可愛い後輩に奢ってやるよ。何が食べたい?」 そう微笑んだ晃に、結花はドキッとして慌てて目を逸らした。 「うーん、パスタ!パスタ食べたいです!」 「OK!じゃあ、隣のイタリアンでいいか?」 「はい!」 (いいもん。今は近くにいられるだけで。こうやってこっそりと主任を見られるだけで幸せ) チラリと隣の晃の横顔を盗み見ながら、結花は幸せを噛み締めた。
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