お願い4 それが答えですか?

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「送ってくよ」 「そんな!申し訳ないので大丈夫です」 「いいよ。タクシーで少し遠回りするだけだし」 町田の優しさに結花は少し微笑んだ。 タクシーを拾うため、2人は大通りへと向かって歩いていた。 「ねえ、結花ちゃん。やっぱりあんな鈍い男止めなよ。俺の方がきっと結花ちゃん楽しいと思うよ」 綺麗な微笑みを浮かべて町田は笑った。 「ふふっ、町田主任ホント軽いですね。全然本気じゃないのに」 そう言った結花に、町田は頬にチュとキスをした。 結花は慌てて頬に手を当てた。 「隙あり。ちょっとは俺の事意識した?」 子供のような町田の笑顔に、結花は怒るのも忘れて一緒に笑っていた。 「じゃあ、お疲れさまでした。そしてごちそうさまでした。」 先にタクシーを降り、結花はタクシーの中の町田を覗き込んだ。 「いいって。付き合おうって言ったでしょ?隙あらばだから気にしないで」 ニコリと笑うと町田はひらひらと手を振った。 そんな町田のタクシーを結花は見送った。
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