お願い5 今度は俺が

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「主任……」 「小松!お前この雨の中行く気か?」 「傘を買いにコンビニまでです」 晃の方を見ずに結花は答えた。 「じゃあ、そこまで入っていけ」 命令口調で言われ結花はイラっとした。 イラっとする権利なんてない事も百も承知だったが、もう止められなかった。 「大丈夫です」 自分でも尖った言い方をしたことに気づいた。 しかしそんな事はどうでもよかった。 「失礼します」 それだけ言うと、土砂降りの雨の中に結花は走り出した。 「おい!いい加減にしろ」 追いかけられ、腕を引っ張られ傘の中に押し込められた。 「放してください」 結花は自分髪の毛からポタポタと雫が落ちるのを見ながら、俯いたまま静かに言った。 「え?」 聞き取れなかったようで聞き返した晃に、結花は叫ぶように声を上げた。 「だから、もう私に構わないでください!」 「それはできない。お前は大事な部下だから」 静かに放たれたその言葉に結花は限界だった。
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