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食べていると高田先輩がコの字の端っこに近づいた。
「こっちから自己紹介な。真ん中に立って名前の紙をみんなに見せて、一発芸か一発ギャグしたら席に戻ってよし」
「えーー。マジかよ~~」
みんなが一斉にボヤキ始めた。俺もガックリ頭を落とす。
甘かった、完全に甘かった。名前を言って終わりだって? よくゆーよ。まさかこんな罰ゲームが仕組まれていたとは……。
「これは社会人になったら、歓迎会で絶対やらなきゃいけないことだ。その時の訓練と思え。はい。そのテーブル。じゃんけんして順番決めろ。次は隣の島のテーブルだからな。順番決めとけよー」
「あーあ。マジかよー」
「じゃんけんしようぜ」
「最初はグッ!」
高田先輩側のテーブルから次々とじゃんけんが始まる。
「島は基本的に相部屋の人間と同じはずだ。相部屋の人間と二人ひと組でもいいぞー」
なに? 初めての共同作業? ここで同じ赤っ恥をかきあって、絆でも深めろって事? 大きなお世話だよまったく。
手の中のサンドイッチをグイグイ口に押し込んで、お茶で流し込む。
凌君が他の四人を見て、俺に視線を移し口を開いた。ちょっと困った表情。
「……どうする? 二人ひと組になれば恥をかくのもちょっとはマシかもしんないし、組む?」
「うーん、まぁね。じゃぁ、ネタは?」
「ネタ……うーん……」
凌君はポケットをパンパン叩いて「あ」って表情になる。ジャージのポケットから取り出したのは、何故かトランプだった。
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