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服以外の荷物をなんとか整理して、空になったダンボールを畳む。
ダンボールは……一階へ持っていけば資源回収なんかの時に使うかも?
ダンボールを脇に挟み、ドアを開けようとした時だった。コンコンとノックの音。と同時に返事する間も無く、ドアがガチャッと開いた。
「おーーい、二人揃ったか?」
「あ、はい……」
一歩部屋に足を踏み入れてきたのは、明らかに上級生って感じの厳つい男。
なに……デカすぎない? ドアのかまちに頭がぶつかりそうだ。
二メートルくらいある背丈。プロレスラーかゴリラみたいなゴツイ先輩は、ちょっと頭を下げて部屋の中にズイと入ってきた。俺と宮坂を見て、持っているファイルに何かチェックを入れる。
気付けば宮坂も、寝転がっていたベッドから起き上がり、へたりと女の子座りして地味に小さくなってる。俺の時は「待って~」と言っていた携帯のゲームもさすがに止めたらしい。
部屋の空気が急にムワッと男臭くなった気がする。
先輩の顎にはうっすらと不精髭も生えているし、握っているボールペンは綿棒くらいの大きさに見える。きっとグーパンチ一発で俺たちなんてあの世行きだろう。
二年後には俺もこの宮坂もこれくらいごつくなっているのか……それはないと思いたい。
先輩は顔を上げ、俺と宮坂を一瞥するとゆっくりと言った。
「二人共六時までに、一階へ降りてこいよ」
「あ、はい」
「はぁい……」
「時間厳守な」
ビシッとした声に思わず背筋が伸びる。
「はい!」
「はぁい……」
宮坂の返事は二回とも蚊の鳴くような声だった。先輩はその返事が気に入らなかったのか、宮坂をジロリと見た。
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