遥か彼方からの風の噂

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「……まるで、新しいオモチャを与えられた子供のようにはしゃぎやがって……アホ丸出しだな。見るに耐えないと思わないか? コウメイ」  いきなり紹介も無く言葉を引用して申し訳無かったが、僕と共に【L05T CH1LD】に後ろ向きな態度を示しながらも、心の中では前向きに見ている友人の一人を紹介しておこうか。  彼の名前は伊藤高明(タカアキ)と言って、僕が心から信頼するに足りるには補って余りある人物だと言っても過言では無いだろう。……はっきり言おう。僕の学校での成績は、彼に比べたら足元にも及ばないくらいダメダメだと言っていいだろう。  妙な偶然の一致だと思っているが、僕、コウメイと同じ漢字を充てられながらも至極真っ当な読み方をするタカアキは、同じクラスの友人だ。趣味嗜好が遠からず、近からずの最適な距離を保っているのはゲームだけではなく、性格に関しても同様の事が言えると言っても良いだろう。
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