お風呂という別世界

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数学の授業、今日も眠たかったな・・・。 隣の席の山本さん、今日もかわいかったな・・・。 帰りにコンビニで買い食いした新商品のカラアゲ、おいしかったな・・・。 いつもどおり。 何か事件があった訳ではない。 それでも湯船に浸かり天井を見上げ、一日の出来事を振り返るのが日課だ。 水滴が落ちる音だけが響く静かな世界。 身近にある別世界。 それがお風呂だ。 体の汚れを落とし、疲れを癒すだけじゃない。 自分だけの時間をくれるお風呂が、俺は大好きだ。 いつまでも入っていたいくらいだ。 いつまでも。 いつまでも。 「おにいちゃん、いつまで入ってるの!」 脱衣所から響く大きな声。 「ホントおにいちゃんって長湯だよね、私も入るんだから早くあがってよ!」 夢心地だった意識が現実に引き戻される。 浴室リモコンのデジタル時計に目をやると、1時間以上経過していた。 たしかにちょっと長湯だったかもしれない。 渋々俺は風呂から出ることにした。 でも、明日もまた長湯をすると思う。 だって俺はお風呂が大好きなんだから。
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