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「おーい!春斗(はると)」
幼馴染の彰(あきら)が教室でぼーと夕日を見ている俺を呼ぶ。
「あっ居た居た!部活に来てないから」
「あっハルト!いたぁ~」
彰(あきら)の後ろから癖毛の可愛い女の子が顔を出す。
「彰(あきら)!、之奈(ゆきな)!」
「部活サボっただろ!?」
「連れてかないとすぐサボるんだから~」
「俺行っても漫画読んでるだけだし」
文芸部の殆ど幽霊部員の俺
「一緒に帰ろうぜ」
そう言われて、鞄を持って二人の元に行く
「どっか寄ってく?」
「あっ本屋に行きたい」
そう彰が言う
「あっ私も行きたい」
「俺パス!帰って寝る・・・」
「もう、付き合い悪いなぁ」
「途中までは一緒に行こうぜ」
之奈が頬をふくらます
3人で途中の交差点までくだらない話をしながら歩いた
「じゃ、本屋こっちだから、また来週ね」
「おう!」
二人と別れた俺は歩道橋を上る、歩道橋の中ほどまで来たら
キキー!
「キャー」「うわぁー」
ドーン!ガッシャーン!
二人と別れた方向から悲鳴とブレーキの音が鳴り響く
「おい!まさか・・・いまの悲鳴・・・」
慌てて引き返す階段を急いで降りて音のした方に行くと
悲惨な光景が目に入った。
「彰!、之奈!嘘だろ・・・」
煙のあがったトラックの下に、二人の無残な姿があった。
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