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早速、良さげな子を探した。辺りを見渡すと、
いたーーまさにぴったりな子が。
ばやーと上の空で街頭ビジョンを眺めていた。今日は日曜日だというのに、スーツを着ており、どこかもの寂しげな目をしている。メガネをかけており、いかにも真面目そうなOLという感じである。
年はおそらくは俺よりも一つか二つくらい上のように見える。俺は彼女に近づいた。
「あのーすみません」
すると、彼女は俺の方を振り向いた。
「は、はい?」
少し怯えたような表情で俺の方を見つめてきた。柔らかい口調で話けるようにした。
「ちょっと、お話をしたいんですが、よろしいですか?」
それから一週間後。
「ただいまー! 比藻小くん!」
俺の養い人の娜目好子(だめすきこ)が帰宅してきた。
「おかえり?! 好子」
食卓を並べ、二人で一緒にテーブルの椅子に座った。
「いただきます!」「いただきます!」
二人で一緒にいただきますをして、夕食を食べた。今晩の料理を俺が作った。料理はオムライスでケチャップでハートマークを書いた。
このヒモ生活のために料理の練習を始めたのだが、我ながら料理の腕が上達したと思う。
「うーん! 比藻小くんの料理美味しいね!」
「そう? それほどでもないよ」
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