最終話 しあわせ

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それが一年前のこと。 それでも私は、今年の3月に仕事を辞め、尚子が住んでるこの街にきた。 今もまだ、尚子のことが好きだから。 尚子との約束を、守りたかったから。 尚子のために、自分のために、別れ、忘れようとしたものの、思いは募るばかりだった。 ほんとに、なんて自分勝手なんだろう。 …それにしても、尚子の曲よく流れるなぁ。 尚子の曲が流れるたび反応してしまい、仕事に集中できなくなる。 私は今はネットで翻訳の仕事を受けながら、小説を書いている。 もともと本を読むのが好きで、いつか書いてみたいと思っていた。 アパートではなくてこういったファミレスや図書館で執筆するほうがなんとなく落ち着く。 単に一人が寂しいからだけど…
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