最終話 しあわせ

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『今までありがとう。若葉さんのこと…忘れられるように…頑張るね。』 一年前の尚子の声が蘇ってくる。 「…ふぅ。」 思わず深呼吸する。 尚子はもう、私のことを忘れられたんだろうか。 今、私のことをどう思っているんだろう? 「なぁ、あの人…綺麗じゃね?」 「ほんとだ」 ふいにそんな声が耳に入ってきた。 視線も感じる。…勘違いではないはず。 仕事と同時に野球も辞め、髪を伸ばしはじめてから「かっこいい」より「綺麗」と言われることが多くなった。 ナンパされることも度々あったので正直うんざりしていた。 髪、切ろうかな…。 本当はもう少し執筆したかったが、周りの目も気になり、これ以上は捗らないので諦めてファミレスを後にすることにした。
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