最終話 しあわせ

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25歳になった夏。 本の映画化が決まった。 ヒマワリ出版社では大騒ぎになっているが、私の周りは平和だ。 私が書いてるなんて言ってないから当たり前か。 尚子からも、本についての連絡がきたことはない。 まだ読んでない…というより、もはや連絡先とか消してるのかな…。 安心と寂しさが入り交じる。 尚子に嫌な気持ちにはなってほしくないけど、私のことを忘れないでいてほしいのが本音だ。 「はぁ…」 私は盛大なため息で、嫌な自分をかき消そうとした。
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