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「それで、Naokoさんは今回の映画のお話についてはどこまで聞いておられますか?本は読んで頂いてますか?」
「いえそれが、大変申し訳ないんですが、映画の主題歌を歌わせて頂くことしか聞いてなくて。時間も中々とれなくて、原作もまだ読んでないんです…本当にすみません。」
やっぱり読んでなかったんだ。
まあ読んでたら私だってわかってるか。
「いやいやそうですよね、今大忙しですもんね!まあ一言で言うと、女性同士の恋の物語なんですよ。」
こはるの言葉に、尚子がぴくっと微かに反応したのがわかった。
「正直、世間一般的に言うと、同性愛のお話なので抵抗ある方もおられると思いますが…Naokoさんはその映画の主題歌を担当されるということになります。大丈夫ですか?」
「…はい。私は大丈夫です。」
少し元気がなくなったように感じる。
やっぱり、私とのことは思い出したくないことなのかな?
「Naokoさんからナツさんに聞きたいこととかはありますか?曲を作られる参考になるのであれば何でもお答えしますよ。ね、ナツさん。」
こはるから急な無茶ぶり。
私はぎこちなく頷くしかできない。
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