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「そう。さっき、オレが高梨さんにイラッとしてるって言ったでしょ? それ、声でわかったから」
顔に出ていなくても、責めているような口調だったのだろうか?
自分ではそんなつもりはないし、冷静に尋ねたつもりだったので動揺してしまう。
さすがにそれは表情に出てしまったのだろう、鷹藤君が慌てたように付け加えた。
「違う違う! 高梨さんはちゃんと普通に聞いてくれてたよ。他の人なら高梨さんがイラッとしてたなんて絶対わかんないから」
「じゃあ、どうして鷹藤君にはわかったの?」
「あ、やっぱり当たりかぁ!」
しまった……。もしかして誘導だった?
「カマかけた訳じゃないよ。今のはただ確認しただけ。だからさ、オレ言ったでしょ? 高梨さんをずっと見て分析してたんだから」
「……暇だね」
冷たく突き放してみたけれど、鷹藤君は相変わらず笑っている。
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